CSV経営戦略:名和高司さん
高名な経営学の先生の著書から老後のヒントを探りました。
「社会貢献」「SDGs」「CSR」「CSV」似たような言葉があって何が違うのか理解するために斜め読みしましたが、ブログへの気づきがありました。
CSV(共通価値の創造)とは何か?
NPO、社会貢献、公共セクターが行う善い行いと営利企業が行うCSVの異なる点についてよく理解できます。
CSVは社会(顧客)の課題解決という考え方は新しくはないと思います。
特に250年前から近江商人が三方良しの商いをして栄えたり、NHK大河ドラマではやりの渋沢栄一の「論語と算盤」など日本には馴染みやすい考えでしょう。
しかし、日本の「徳」による経営とCSRは少し異なるとしています。
CSVは社会課題の解決こそ競争優位そのものと位置付ける。
CSV2つの項目を結びつけると説明する。
一つ目は社会価値、社会の課題を解決する事。
二つ目は企業価値(経済価値)、つまり儲け。
「徳」は最初に社会課題の解決があり、そうすれば後から利益がついてくるとの考え。
しかしCSVパワフルに利益と課題解決を結びつける。
日本企業はROEが低く、社会価値が高くても経済価値が低いため、CSV企業と言えない。と断罪されています。
経済価値を高めて規模を拡大しなければ、社会課題の解決もインパクトを与える事ができないとする。
NPOは自ら富を創造することはなく、他人が生み出した富を分配しているだけ。
寄付に基づく活動。寄付が無ければ消滅し、自立できない。
公共部門(政府や地方公共団体)は強制的徴税を原資としており、自立していない。
いずれも予算が成長しないため限定的。
事業は社会のニードや欲望に対応するためパワフルに拡大できる。
利益が創造できてこそ継続的に社会課題を解決できるし、社会課題を解決することで継続的に利益が発生する。
利益が生めない企業は、納税や雇用増で社会に貢献できずインフラをフリーライドしているだけとも言える。
社会貢献は大変。代表的企業であるネスレは利益率15%を維持しながら継続的に社会にインパクトを与えるレベルのCSV取り組む事でヘトヘトになっている。
社会価値は多義的で多様。
この本でCSV業としてお手本になっているユニクロは、現在ウィグル綿使用で人権意識の低い企業としてバッシングされ、商品はアメリカから排除されている事を見ても、CSVを継続して両立する事は難しいという事だろう。
CSVを成功させるポイント以下7つとしています。
- 社会課題をどうとらえるか
- 大義はあるか
- 自分ならではのひねりがあるか
- どのようにマネタイズするか
- 誰をどう巻き込むか
- いかにスケールするか
- いかに継続するか
さて、このブログは「普通のサラリーマンが充実した定年後を目指す」にしています。
しかし、このままでは「自分だけが」「充実」する事を目指しているだけです。
これに「社会への参画」という視点を加える事で充実度が上がると思いつきました。
他人や社会に対して何か影響をあたえるなど大それた事だと考えていましたが、定年後の長い時間を充実させるにははやり社会との繋がりが必要だと感じます。
社会と繋がる=社会に良い影響を与える。でなければドライバーになりません。
お金のために製作している訳では無いと言う芸術家でも、作品が全く売れなければ誰からも評価されていない事になり意味を持ちません。
しかも、日本は「社会の課題先進国」であり、その中には「老人医療費、年金財源のひっ迫、孤独老人」といった定年後に関係する課題も多く、他人事でいられません。
「自分」に関係の深い「社会の課題」を解決する事は、定年後をの責務とも言えます。
しかもCSVの思想では社会の課題を解決すれば経済的価値=お金が稼げるはず。
定年後に職を探して汲々とするのではなく、自らが社会課題解決を仕事にすると考えればポジティブな感じになる。
「仕事」とはサラリーマンになる事に限らない。
実践→失敗→悩む→課題を乗り越えるこのサイクルをゲームだと考えれば老後はエキサイティングなゲームをしていることになります。
NPOに所属していなくとも社会貢献は可能。一人で空き缶拾いするのは自分の強みを生かしていないし、広がりも、インパクトもない。
さて、CSVを成功させるポイントを自分に当てはめてみましょう。
①社会課題をどうとらえるか、誰が何に困っているのか?
・年金財源不足、高齢者医療費負担増、健康寿命、孤独老人、下流老人
・話し相手がいない→オンラインだけでなくオフライン散歩企画
ラジオ歴史散歩、美術館のイヤホンガイドのイメージ。
・社会から必要とされていない→史跡近くの飲食店で消費。史跡に寄付。史跡公園
の入場料を払う
・お金も予定もない、タイムキャンペーン?春の神田明神、3社祭り
・ゲーミフィケーション、ポケモンゴーのイメージ
・利用する高齢者へのメリット+その高齢者の能力を社会に活かす。
②自分ならではのひねりがあるか
・好奇心は強い。読書が好き。文書は下手だが書くのは苦にならない。
・定年後の暇潰しなので、失敗しても問題ない。
③どのようにマネタイズするか(いきなり完成でなくその中間地点までのブリッジでもよい。)
・何かにジョイントして一部だけを担当するか、誰かにジョイントしてもらう
③誰をどう巻き込むか
・作家、プログラマ、コンテンツを開示するプラットホーム、同好の志
・歴史本、番組、歴女やタモリの地形番組、城番組は一定数いるが、インフルエンサーはいない。地味
・大江戸博物館、区の教育委員会や地域振興、刀剣博物館、
・歌舞伎界、相撲
・史跡の近くにある土産物屋さんなどとジョイント⑤
④いかにスケールするか
・京都にも立ち上げるとか
・江戸検定
・ゲームを通じて日本の歴史を知る→現代に生かす、日本独自の文化・芸術の保護
⑤いかに継続するか
・同行の志、後継者、結果を出す
ここまでで思いつくのは、ブログを蓄積し、GPSを活用した旅行ガイド+歴史ゲームを作る事を思いつきました。
コンテンツは無料。
散歩する事でコストレスな疾病予防、健康維持に繋がります。
コストレスだけに魅力がなく参入は少ないと考えています。
ポケモンゴーが無料なのは、追加課金+ポケストップ店舗からの収入なので、このゲームも追加課金コンテンツを準備。
一方でポケモンGOは本人が歩いて健康になる以外に社会課題を解決していない。
史跡の周辺の飲食店からの広告料や、寺社や美術館からの広告料にも期待する。
史跡とは、河川や橋だけでなく、大江戸博物館や北斎美術館など有料の文化美術館も含む。
歌舞伎や相撲など江戸文化に含まれる芸能も含む。日光東照宮や浜離宮など有料公園施設もあり、何でも対象になります。
実際に散歩アプリは沢山作られており、システムソフトはすでに存在しています。
散歩本や歴史コンテンツも膨大に存在します。
これをつなぎ合わせて、マネタイズに結び付けるために残るのはマーケティング、組織化、エコシステムを作るための営業。
作るのも使うのもミニマムコストを目指し、多くの人に利用してもらい、多くの人が健康になり、日本の歴史、文化を知りリベラルアーツを身に着ける。
日本の公園や史跡を保全し、歴史ある寺社を保全し、古典芸能文化を応援する。
老人の孤独を解消し、コンテンツを通じて共通の話題と出会いの場を提供する。
うーんもう誰かがやってそうですね。