磯田道史先生
最近TVでよく拝見します。
小学生の頃から地域の石仏の拓本採集が趣味で友達から「オジン」と呼ばれたらしい。
高校時代には古文書辞典を使ってご実家の古文書を解読しており、卒業時には古文書史料が読めたとの事。
知的好奇心が強く、慶応大学にある歴史書を全て読もうとして3日間満足な食事もせず図書館で読書し続けて意識を失い救急車で運ばれたらしいです。
私も少しだけ共感できる部分があります。
小学校時代、図書館の本を全て読もうと思ってました。
結局3割くらいしか読み切れませんでしたが。
旧漢字記載の古い全集が多く、学校で習っていない漢字も自然に覚えていました。
学校で進級して新しい国語の教科書を家に持って帰ったら、その日のうちに教科書読み終えてました。
だから国語は勉強した記憶がほとんどありませんが成績は良かったです。
歴史は、自分の中では勉強ではなく読書と同じレベルの趣味として教科書を楽しんで読んでいました。
勉強そのものは嫌いだったので、理系の成績は悪かったですが。
歴史の授業で使われる副読本の美術写真も好きでした。
中学校時代に「俺って爺臭いな」と自覚してましたから。
私くらいの歴史や本好きは沢山いるでしょうが、磯田さんはレベルが違いますね。
私はどちらかというと子供の頃はシュリーマンのように仕事で貯金 してから趣味の世界に入れたらいいなと思ってましたから、歴史で食べていける人は尊敬します。
しがないサラリーマンでは趣味に生きるほどの貯金は無理でしたが。
話がそれましたが、 そんな磯田さんが加賀藩士の家計簿の古文書を見つけて解読した
のは偶然ではなく当然のような気がしますね。
古文書が読めないと解読できないし、解読できても背景となる江戸時代の知識がなければ理解ができないはず。
出版社に見いだされてベストセラーに至ったのも磯田さんであった からこそ。
当時、 武士はお金勘定を卑しいとする風潮なので家計簿は残っていない。
そのため発見された古文書の家計簿は新発見に近い内容だった。
幕末から150年たって研究し尽くされた江戸時代に新発見っ てそんなに残されていないと思います。
古文書を残した加賀藩士は加賀100万石の会計係だったので職業柄、 自宅の家計簿も付けていたという事で、貴重な家計簿ですね。
赤門を作るために江戸に単身赴任を命じられて借金ができた。
でも功績により出世したら領知持ちになって名誉は上がった。
ところが、実収入は逆に減ってしまい、借金が2400万円くらいできた。
年利20%の借金もあったそうです。闇金融ですね。
借金返済のために家財道具を売却し、 藩から給料前借りしたがまだ借金が残った。
江戸時代を通じて米に対する物価は値上がりしたが、武士が給料として配給されるお米の量は一定だったので、お米に対して物価インフレとなり、当時の中級以下の武士はみな極貧になったとの事。
現代に通じていてとても面白い。
私も管理職になた時に単身赴任となり、収入は少し上がりましたが単身赴任の2重家計となり貯金できるお金が減った事があります。
責任が重くなって出費も増えて残るお金は前と同じならしんどいだけだと思いました。
現代の日本なら、インフレになるとお金の価値が相対的に下がるため、給料の価値も下がりますが、 借金の価値も下がります。
江戸時代は給料はお米で借金はお金なので、お米だけインフレになると借金の価値だけ下がらずに大変な事になります。
いずれにせよ幕末には藩や普通の武士の財政破綻が進んでいたことが理解できます。