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お坊さんが困る仏教の話


江戸時代の歴史に興味を持つ者として、興味のある
最後の第五章のみコメントします。

徳川幕府キリスト教を排除するために
構築したが寺請制度。

徳川幕府ができるまでは、戒名というのは教団に貢献した公家や
大名レベルなど一部人のみに生前に送られる名前であった。
一般庶民全員に戒名をつけるようになったのは江戸時代である
との事です。

戦国時代から江戸時代初期に日本にはキリスト教の猛烈な進出が
あったそうです。浄土教団が起こした一向一揆を連想した徳川幕府
は恐怖を感じたそうです。
徳川幕府は「法度」を制定し、本山の責任者の大僧正は幕府が任命する。
本山が中本山や末寺の住職を任命をし、末寺の財産権も本山が握った。
これにより幕府の意図を末寺まで徹底させていった。。

末寺はキリシタン信者を見つけて改宗をすすめ、
改宗しなければ津軽へ追放した。
こうした政策にもかかわらず1637年島原の乱がおこり、
江戸幕府に衝撃が走り、「寺請」制度を創った。
お寺に登録した人に、「この人はキリシタンではない。」
という証明書を発行した。これを「寺請証文」という。
寺請証文がないと関所が通れず、嫁入りの時にもこれが必要だった。
そしてお寺さんは檀家の戸主とその家族の出生から死亡までを宗門人別帳
で管理した。 今で言えば戸籍謄本。お寺が市役所の役割を担った。
お寺の権力は拡大し、檀家は子孫の代まで宗旨替えができなくなった。
葬儀を菩提寺で行うためには仏の弟子になり、戒名がついている必要
があったため、庶民全員に戒名がつくようになったという事です。
現代の戒名はこれを引き継いでいるため、信仰の結果ではなく江戸幕府
の治安対策の結果だという事です。
子供の頃私は、なぜ日本人は大乗仏教などという非科学的宗教を
日本人全員が信じていたのだろうと不思議でしたが、信仰に関係ない
という解説に目から鱗で納得してしまいました。

本来の釈迦仏教は死後の世界はないと断言されています。
それが大乗仏教になって死後の世界で救済されるという理屈になる。
つまり、死後の世界を信じるかどうかが戒名をつけて仏式葬儀を行うか
どうかの判断の基準のはずです。
キリスト教イスラム教も死後の世界があるとの教義なので
科学的思考をもってしても死後の世界を自信をもって否定できる
人は少ないのでしょうね。

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お坊さんが困る仏教の話